世界最大の総合オンライン旅行会社、Expedia Inc.が、25ヶ国の18歳以上の有職者男女を対象とし、2014年8月~9月に有給休暇の国際比較調査を行った結果、日本の有給消化率は50%で、7年連続再会を脱した。
引用元:http://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2014/
良い時代になりましたな。私が現役のころは、有給休暇を使わない社員が優秀だという風潮さえありましたよ。
草蔵さんも、モーレツ社員などと呼ばれていたタイプですか?
「企業戦士」と呼んでいただきたいものですな。戦士に休みなどございません。風邪をひいても休まず、栄養ドリンクを飲みながら働くのがプライドでした。
まだ土曜出勤も当たり前でしたね。日曜日はどうやって過ごしておられたんですか?
ほとんど接待ゴルフで終わっておりました。自分のために使う時間など、ほとんどなかったものです。
大変でしたね。
いやいや、女房はもっと大変だったと思います。姑……私の母からは厳しくしつけられ、私の力は一切あてにせず、ご近所の悪ガキどもと格闘しながら子育てをしておりました。あの頃は、日本の経済成長をめざし、男女に限らず、みな必死だったのでしょう。
そんな草蔵さんから見ると、今の会社員は甘えているように見えるでしょう。
時代が変わったのですよ。しかし、その変化は悪いものではないでしょう。女性たちが社会で活躍するようになったのは良いことでしょう。女性が家庭のために注ぐ力が減れば、男性の助けも必要になるのは当然のこと。そうなれば、誰しも仕事一筋というわけにはいかなくなってくるわけです。だいたい、家族サービスが仕事より楽だというわけでもありませんわい。私なぞ、未だ娘や息子との会話が苦手で。若いころ、子供たちと向き合ってこなかったツケでしょうな。
なるほど。それでは、この調子で、有給消化率が上っていけば、日本社会は快適になっていくと思われますか?
そう単純なものでもないのでしょう。2008年~2010年度の有給消化率は、最下位とはいえ56%。今年最下位になった韓国の仕事環境が悪化した結果と考える方が正しいでしょうな。それに、有給をとることに罪悪感をもつ日本人は26%。26ヶ国中、未だトップです。
なのに消化率は25位と、この部分で韓国と逆転しています。罪悪感はあるけれど、有給を使っている。これは、有給をとりやすい雰囲気の会社が増えたということでしょうか?
それもそう単純には言えないでしょう。休暇中も仕事のことが頭を離れない人は13%、26ヶ国中でダントツのトップです。休暇明けの多忙さはどうかというアンケートをとっても、やはり同じような結果ではないでしょうか。
休みはあげるけれども、仕事は減らさないという職場が多いのかもしれませんね。
また長期休暇をとる日本人はまだ11%。消化した有給休暇の中に、病気理由も相当数含まれているのではないかな。むろん私たちの時代のように、病気でも休まない人は減っているのでしょうが。
日本人は世界的に見れば、まだまだWorkaholicの範疇にいるのかもしれません。それでも草蔵さんの時代から考えれば、ずいぶん労働環境は改善されているようです。休みをとることで、職場に迷惑をかけられないのはどの国でも同じはず。まずは、メリハリをつけて働くことを意識してみてはいかがでしょうか。
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